「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」は、大阪市立学校において、9月14日に「北朝鮮の弾道ミサイルに係る学校園の対応について」という大阪市教育委員会名の保護者あて文書を児童・生徒に持ち帰らせたことに対して、929日付で要請書を提出し、1025日付で回答を受けました。(大阪市教育委員会HP → 団体等との交渉状況 → 各種団体との協議など → 実施状況一覧 → 2017年度)

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/dantaikyogi/kyoiku/0000418432.html

そして、12月7日に、この回答に対する「協議」を行いました。(報道発表資料12月5日)

http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000418897.html

市教委側出席者は、市民窓口の総務担当2人、文書配布の担当課である指導部初等教育担当1人、中学校教育担当1人の合計4人、こちらは、14人が参加しました

「協議」では、保護者あて文書配布を決めた経緯を聞き、文書の内容が保護者や子どもたちにどんな影響をもたらすと考えるかを聞き出していきました。

/8に文科省文書連絡があり、9/13に市教委が各校園長に事務連絡されるまでに、文科省指示文書についてどう検討されたかを具体的に示すように質問を重ねました。Jアラート発信時の行動の内容が適切であるのか、着弾した場合とはどんな事態なのか、どんなものが着弾するのか、8/29Jアラート発信時ミサイル発射実験で爆薬なしで宇宙ステーションよりはるか上空を飛んだがどんな危険が考えられたのか、10キロ上空の飛行機や自衛隊の軍用機の落下物の危険と比べて確率も危険度もあえて文書配布するほどの必要をどう考えたのか、着弾時とるべき行動で、口と鼻を覆い、換気扇を止め、目張りをして室内を密閉する、とは核爆弾と考えてのことなのか、北朝鮮と国を出すが韓国でもミサイルが発射されたり日米韓軍事演習での危険やオスプレイなどの事故もあるのにそれを危険と取り上げないのはなぜか、など質問をしても具体的な返答はなく、弾道ミサイルが誤って落ちてきたとき、落下物があったとき、との想定で安全を考えて、の言葉しか返答はありませんでした。

教育委員会指導部のみで人権担当など他グループ含む協議はせず、大阪府教育委員会と大阪市の危機管理室に確認してすすめた。文科省の文書指示を内容について現場の教員が説明対応できるのか、反対疑問意見は検討もせず、政府内閣の出すことそのまま、文科省の指示を実行するのが仕事、周知するなら保護者に文書配布するのがいい、と、この文書配布に至ったことが浮き彫りになりました。9/13各校園長に事務連絡で保護者への文書配布まで指示を行い、翌9/14には保護者への文書配布で全職員への周知など行えるすべもなかったことも指摘しても答えられませんでした。

この文書によって在日の子どもたちへの日本の子どもからヘイト発言などの影響については配布後ルーツのある子どもへの対応はどうしたらよいか、ミサイルはいつ発射されるのと子どもが聞いてきた、と報告があったが、人権グループに確認はされていませんでした。実際中国からの渡日子女がキムジョンウンと呼ばれて本名名乗りたくないという子どもに接した事例も参加者から報告されました。

ことさら朝鮮を取り上げて戦争の危機と根拠ない不安をあおり日本が戦える方向へと改憲・軍拡・戦争扇動へとすすむ動き、子どもたちの中に排外主義を拡げ日本の子どもが加害の立場に追いやることに教育委員会が手をかしてしまう危険を教育委員会の人たちにわかってほしいことを参加者みんなで訴えた協議となりました。

文科省指示文書の避難訓練については、西宮で行った頭を座布団で隠すなどの、ミサイル発射を想定した訓練はしない、今まで通りの震災を考えた避難訓練をおこなう、と危機管理室とも確認している、との言質を得ることができました。

 今回を踏まえて、文書が与えた人権問題含めた影響にしっかり目を向けるため再度の報告をもらうことになりました。さらに協議を重ねて教育委員会の姿勢も変えていきたいと思います。